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 子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣腫瘍

月経量が多い、月経痛がひどい‥など、月経に伴う症状が主ですが、下腹部にしこりを触れる、下腹部が痛いなどの場合は、卵巣腫瘍も考えられます。
子宮癌検診で見つかることもあります。

子宮筋腫

子宮壁の筋肉にコブができるのが子宮筋腫です。子宮筋腫は良性の腫瘍です。この子宮筋腫は女性の多かれ少なかれ3~5人に1人は子宮筋腫を持っています。子宮筋腫は女性ホルモンに依存して大きくなりますので、月経がある間は増大する可能性があります。

症状と種類

過多月経が主な症状ですが、すべてに月経血量が多かったり、月経痛がひどかったりするわけではありません。子宮筋腫のできる部位は以下の3つに分類されます。子宮筋腫のできる部位によって、それぞれ症状が異なります。

  1. 奨膜下筋腫
    子宮の外の向かって大きくなるが、症状は軽いことが多い
  2. 筋層内筋腫
    1と2の中間で、筋層内にできて、月経血量が多くなったりする
  3. 粘膜下筋腫
    内膜方向に発育するため、小さくても月経血量が多い
診断・検査

女性の多かれ少なかれ3~5人に1人は子宮筋腫を持っています。子宮筋腫を指摘された全ての方がすぐさまに治療が必要とは限りません。しかし、症状がなくても定期的な検診が必要です。検診は、主に婦人科的診察(内診)と超音波検査や貧血検査で行ないます。子宮内膜症や卵巣腫瘍との鑑別が必要です。CT-scanやMR-Iが有効なことが多い。

治療法
  1. 経過観察
    小さい筋腫で、軽い症状のもの。
  2. GnRHアナログ療法
    ホルモン剤で排卵や月経を抑えて、筋腫を萎縮される方法。GnRHアナログ製剤という薬を6ヶ月間投与します。副作用として、更年期様症状がかなりの率でみられます。また、繰り返し使用した場合、骨量が減少し骨量低下を引き起こします。
  3. 手術療法
    大きな筋腫、月経痛・過多月経などの症状がひどいもの。
    開腹手術・腹腔鏡下手術・子宮鏡下手術などがあります。
  4. 最新の治療法
    • 「子宮動脈塞栓術(UAE)」
      子宮動脈の血流を詰まらせて、筋腫を小さくする治療法です。足の付け根の血管からカテーテルを入れて治療する。再発の報告は ごく少数です。この手術後、筋腫は3ヶ月で約50%、1年後には約30% に縮小し、症状(過多月経、月経痛、貧血など)も大変軽くなります。
    • 「集束超音波治療(FUS)」
      MRIで病巣を撮影しながら、超音波のエネルギーを集中させて、患部の腫瘍等を焼却する治療です。

子宮内膜症

子宮の内腔を覆っている子宮内膜組織が子宮内腔以外の場所、例えば子宮の筋肉の中や卵巣、腹膜などにできる病気です。
正常な子宮内膜と同様に月経周期に合わせて増殖や出血を繰り返すため、子宮の筋肉が瘤のようになったり、卵巣に血液が滞留してそれがチョコレートのようになるチョコレート嚢胞や、腹膜の癒着などを起こします。
年齢的には四十歳前後の発症が多いのですが、最近は十代の発症も少なくありません。

症状

主な症状は日常生活に支障をきたすほどのひどい月経痛です。ほかに排便痛、性交痛、腰痛、月経過多、また不妊症も症状の一つと言えます。不妊症は子宮内膜症患者の三割にあるとも言われています。

診断・検査

まず、婦人科的診察(内診)と超音波検査で推測します。次いで、血液検査で検査で貧血や内膜症のマーカーを調べます。
詳しく調べるには、CT-scanやMR-Iが必要です。腹腔鏡検査が必要なこともあります。

治療法

治療には薬物療法と手術療法があり、時に両方を併用することもありますが、患者さんの年齢、病状、妊娠の希望などを考慮して選択します。

  1. 薬物療法
    GnRHアナログ療法。ホルモン剤で卵巣の働きを一時的にストップさせて月経を止め(偽閉経療法)内膜症病変が縮小させる方法です。
  2. 手術療法
    保存的手術と根治的手術があります。保存的手術は妊娠ができるように病巣だけを取り除いたり凝固する方法ですが、再発することがあります。根治的手術は子宮全摘術に加え卵巣の摘除術を必要とすることもあります。手術には開腹と腹腔鏡下での方法とがあります。
  3. 薬物療法+手術療法
    GnRHアナログ療法で内膜症病変を縮小させておいてから、手術を行なう方法です。

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卵巣腫瘍

卵巣にできる『できもの』を卵巣腫瘍と言います。卵巣腫瘍は良性腫瘍と悪性腫瘍(いわゆる卵巣癌)に分けられます。

症状

卵巣腫瘍の場合、良性や悪性にかかわらず、初期には大半の場合が自覚症状がありません。そのため、下腹部膨満感や月経異常が見られた時はかなり進行していることがあります。特に卵巣癌の場合、進行しているとかなり予後不良とされています。

診断・検査

まずは婦人科診察と超音波検査により調べます。血液検査で腫瘍マーカーを調べ、腫瘍の種類や良性か悪性かの推測を行ないます。
CT-scanやMR-Iなどによる検索も必要となります。早期診断が最も重要で、そのためには定期的な検診が必要と考えられます。
子宮癌検診時に超音波検査で卵巣も診てもらうようにするとよいでしょう。

治療法

大きな腫瘍、悪性が疑われる腫瘍には、手術が必要です。子宮と違って、表面をこすって細胞診を行なったり、一部を採って組織診を行うことは、不可能なので、手術で摘出して調べるのが原則となります。
内容が均一で小さなもの、良性と思われるものは、慎重に経過を見ることもあります。